レイアウト工事中なので、画面きったないのはご勘弁。


恐怖のUV
野菜を陳列しなければ・・・
てっちゃんは、とりあえず冷蔵庫のチルド室を開けてキャベツを取りだし、
1枚1枚めくって丁寧に陳列した。
これでよし。
そう心の中で呟くと、晴れ晴れした表情で店を開いた。
すると、風が店のなかに吹き込み、
キャベツの葉っぱが、ヒラヒラと店の外へ舞っていった。
「ちょ、まっ、もう!」
てっちゃんはキャベツの葉っぱを追いかけ、店の外に飛び出した。
「やだもう!すっごい紫外線!」
てっちゃんのUV対策は隙だらけだった。
そして、隙だらけのてっちゃんに対し、
紫外線は右脇腹を中心に容赦なく降り注いだ。
てっちゃんは必死に右脇腹をガードしようとしたが、
両手は2mくらいあるリーゼントを支えるために埋まっていた。
この両手を外したらリーゼントが犬に踏まれる。
そう考えると、どうしても両手を下ろすわけにはいかなかった。
「もうだめだ」
3時間ほど耐え、完全にグロッキーになったてっちゃんは、
薄れゆく意識の中で、毎日飲んでいる黒酢を今日は飲んでいないことを思いだし、しまったと思いながら息絶えた。
2時間後、近所のゆうたろうさんが叫びながら走ってきた。
「てっちゃん、お米券2枚余ってるよ!しかも全国共通って書いてあるよ!」
ゆうたろうさんは満面の笑みでてっちゃんのところへ駆け寄った。
「え?2枚も?」
てっちゃんは意識を取り戻した。
てっちゃんはすぐさまゆうたろうさんからお米券を受け取り、
右手に1枚、左手に1枚握りしめた。
紫外線はまだ右脇腹に降り注いでいた。
てっちゃんの両手はお米券で埋まっていた。
そしてゆうたろうさんの両手も、てっちゃんのリーゼントを支えるために埋まっていた。
ちくしょう。
てっちゃんは薄れゆく意識の中で、
ゆうたろうさんの右脇腹が、
オレによって守られていることに気づきながら、
息絶えた。
てっちゃんが息絶えたことを確認すると、
オレは最高の悪い顔で、
両手に握られたお米券を毟り取った。
てっちゃんの死に顔を確認すると、
おれは叫んだ。
「社長?!」
てっちゃんはオレの会社の社長だった。
てっちゃん青果の社員は社長とオレだけだった。
社長は死んだ。次の社長はオレだ。
オレは、ライターを取りだし、社長のリーゼントに火を付けて火葬した。
アディオス、社長。
オレはてっちゃん青果に出勤した。
長い通勤は終わった。
5分後にまた、長い帰宅が始まる。
だが、そんなことは今はどうでもいい。
今は、無事通勤をし終えたことに浸っていたいのだ。
完
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